連続インタビューVol.11 ビズリーチ・茂野氏「よくある質問に徹底的に答えます!」

みなさん、こんにちは。

株式会社ビズリーチ インサイドセールス部 部長 茂野 明彦氏へのロングインタビュー、第11回です。

前回は、「現時点での残課題と今後の展望は?」、「理想のインサイドセールスとは?」を中心にお話を伺いました。

今回のテーマは「よくある質問に徹底的に答えます!」になります。
Sales Hackerの読者の方々から寄せられた茂野さんに対するご質問にお答えいただきました。インサイドセールスを成功させる為に意識すべきことを中心にお答えいただきましたので、是非ご覧ください。

インサイドセールスや営業全般に関する疑問や悩みなどがあれば、是非info@revcomm.co.jpにご連絡下さい。第一人者の方に聞いてインタビューして参ります!


株式会社ビズリーチ
キャリアカンパニービジネスマーケティング本部 インサイドセールス部 部長
茂野 明彦氏 / Akihiko Shigeno
大手インテリアメーカーを経て、人材系ベンチャー企業に転職。5年間大手通信会社に出向後、自社に戻り研修事業を立ち上げる。2012年8月、株式会社セールスフォース・ドットコムに入社し、グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部門立ち上げに携わる。2016年12月、ビズリーチ入社。現在は、インサイドセールスグループとマーケティンググループを統括する。
※所属・役職等はインタビュー取材時のものです。

インサイドセールスの組織活動の見える化と改善が成功への第一歩!

ーーここから、ユーザー様から寄せられた質問を茂野さんにお答え頂こうと思います。

ーー「インサイドセールスを組織したが、成果がなかなか上がらない時、成果を上げる為には何に注力すれば良いでしょうか?」

茂野 明彦氏(以下、敬称略)
各企業が抱える問題の背景によって異なりますが、「セールスファネル(※図1)の上から順番に見ていくこと」が重要だと思います。

図1:セールスファネルイメージ図(E-book「営業の本質とは?個人/組織の営業力を上げるためには?」から抜粋)

まず前提として、「リードの量や質」「コール(ヒアリングアポイント)の量や質」「営業(セリング・クロージング)の質」など、それぞれのフェーズで可視化して評価可能な環境を整える必要があります。その為には、SFACRMといったツールの活用や、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスで合意されたKPIKGIを設定する必要があります。定量的に可視化できる環境を整えた上で、セールスファネルの上から順番に評価して、最重要KPIを見つけ出します。最重要KPIが見つかれば、自ずと成果は上がります。

注意すべきは、評価する為にはデータが必要なので、まずは「量」に振り切ってデータを溜めた上で、質を高めていくことが大切だと考えています。

ーーなるほど。まとめると、CRM/SFAなどのツールで営業活動を定量的に可視化して、各営業フェーズ毎にKPIを決めること。そして、どのKPIが最重要かを決める上ではデータ量が担保されていなければならないので、まずは「質」よりも「量」に振ること。ということですね。

ーー解決策を講じていく中で「インサイドセールスのトレーニング」が必要になるケースもあるかと思います。インサイドセールスの能力開発については、どの様にお考えでしょうか?

茂野
まずは「何が必要かを定義する」ことです。

その方法として、トップパフォーマー(パフォーマンスが高い人)が何をしているかを明確にするアプローチをお勧めします。

私の場合、トップパフォーマーに「何をしているか教えて欲しい」と聞いて、彼や彼女の意見を参考にトレーニング内容を考えました。ただ、少し注意点があります。

トップパフォーマーの人に何をしているか聞いても、「特に何もしてないです。ただ沢山電話をしているだけです。」という回答が返ってきがちです。従って、聞き手側がトップパフォーマーの営業活動を、どれぐらい因数分解できるかが、体系化や教育システムを作る上での鍵になると考えています。

トップパフォーマーの営業活動を因数分解すると、「具体的な行動」を掘り起こすことができます。例えば、トップパフォーマーは「お客様との電話中のメモを紙に書き出し、後でPCに打ち込む」といった重複作業を行なっておらず「お客様との電話中にメールのテンプレートに文字を打ちこみ、電話の後すぐにメールを送信」している。という感じです。

余談ですが、ビズリーチでは、トップパフォーマーには、トレーナーとしてインサイドセールスの教育に携わって貰っています。自身の成功体験を後輩に伝える事で、体系化され、より強い組織になっていくと考えています。

ーートップパフォーマーが何をしているのか「具体的な行動」まで落とし込んで、それを共有して、仕組み化していくことが重要ということですね。

インサイドセールスで身につく事は多岐にわたる

ーートレーニングに関連して2点目。「トークスクリプト(電話対応の台本)」は必要だとお考えでしょうか?

茂野
私は、必要ないと思っているので作りません。

トークスクリプト」よりも「会話のフロー」を作ったほうが良いと思っています。「会話のフロー」とは、「トークスクリプト」のように会話内容の詳細を記載するのではなく、電話対応の大まかな流れを纏めたものです。

トークスクリプト」で言葉の端々まで決めてしまうのは、プロダクトセリング(製品志向型販売)的ですし、尋問みたいなやり取りになる恐れもあります。それでは、お客様とのコミュニケーションは上手くいきません。

インサイドセールスには、質問内容を自分で考え、相手の興味や関心に合わせて会話を展開して欲しいと考えているので、作るべきは「トークスクリプト」では無く「会話のフロー」だと思っています。

ーー大まかな会話の流れは提供するもののスクリプトは作らず、インサイドセールスの裁量に任せるということですね。

ーー一定の裁量を任されて活動することもインサイドセールスの魅力だと思いますが、フィールドセールスと比較し、インサイドセールスのおもしろさとは、どこにあると思われますか?

茂野
「パイプジェネレーション」と「クロージング」の2点に分けられると思っています。

「パイプジェネレーション」では、色々な種類、役職のお客様と接点があるという点が挙げられます。経営層や上場企業の役員といった方々とお会いする機会は、普通でしたら滅多にありません。しかし、電話で正しいアプローチをする事で、その様な方々とお話出来る機会を少なからず得られます。

クロージング」では、商談機会の多さや、会わなくても成約出来るという感覚は面白いと思います。お客様の身振り手振りが見えないことの難しさを感じるとは思いますが、成約のスキルを会得していくと、自分が極めて生産性の高い営業を実現していることを実感できると思います。

まとめると、「様々な人、特に役職が上の人と直接話せる可能性」や「生産性の高い営業活動を実現している実感」という2点は、フィールドセールスに比べ、インサイドセールスのほうが大きいと思います。

お客様との認識ギャップをなくし、円滑なコミュニケーションを実現!

ーーお客様に対して、インサイドセールスが電話で伝えた内容と、フィールドセールスが見せるデモのギャップがある問題はどう解決するべきでしょうか?

茂野
重要な事は「お客様の期待値を正確にフィールドセールスに伝達すること、電話を切る時に期待値調整をすること」です。

インサイドセールスは、電話でお客様の課題と要望をお聞きした上で、フィールドセールスのデモ等の商談機会を調整します。

その際インサイドセールスは、商談機会当日の内容をお客様とフィールドセールス双方の合意を取り、お客様の課題、要望、期待値を正確にフィールドセールスに伝える事が重要です。

上記が満たされていれば、ギャップは生まれません。上記が満たされていなければ、ギャップが生まれてしまいます。

例えば「標準のデモではなく、自社にカスタマイズされたデモを見せてくれると嬉しい」と言われ「了解です」と伝え電話を切り、その後、フィールドセールスに「いつも通りデモをしてきてください」と伝えてしまった場合、お客様の期待されている内容を正確にフィールドセールスに伝達できていない為、ギャップが生まれます。

最も良くない事は、ギャップです。お客様がネガティブな状態なら、ネガティブであることを明確に伝えた方が、フィールドセールスとしては有り難いということを、インサイドセールスが認識しておく必要があります。また、フローやルールを整備し、組織に浸透させる必要があると考えています。

ーー組織として期待値調整を徹底することが重要という事ですね。

ーー同様に、インサイドセールスからは「確度が高い」と渡されたのに、フィールドセールス側でいざ商談となった時に、そうでもないケースがあったりもするかと思います。それも同様の解決策を講じれば宜しいでしょうか?

茂野
期待値調整とは少し違うことを意識するべきだと思っています。

確度に関するギャップが起こる理由は、お客様から、「はい」という言葉しか引き出していない。ということに尽きます。

例えば「良い人がいたら採用したいですか」、「採用は大変ですか」、「母集団形成は満足に出来ていませんか」といった質問があるとします。

これらに対する回答が「はい」だけだとすると、文章上は「母集団形成に苦労されていて、全体的な採用に関しても非常に苦労されていて、良い人がいれば採用をしたいという意欲的な思いを持っている」という事になってしまいます。

ですので、例えば「採用は大変ですか」という質問に対して、お客様の回答が「はい」だけだったとします。その際インサイドセールスは、「なぜ採用は大変なのか」「なぜこの様な状態になっているのか」といった「なぜ」を繰り返す事で要望の深掘りを行う事で、正確にお客様の課題を認識する事ができます。よって、より正確な確度を認識し、インサイドセールスに伝達する事ができる様になります。

ですので、質問に対する答えをいかに深掘りし、より深くお客様のニーズを確認するかが、ギャップを最小限にする為には重要だと考えます。

ーー認識ギャップが生まれるシーンとして、対お客様だけでなく、対社内もあるかと思います。インサイドセールスとして、フィールドセールス、マーケティング部との連携はどのように行なっていますか?

茂野
フィールドセールス、マーケティング部とは、それぞれ週1でミーティングを行っています。双方、同じ数字を見ながら様々な事を話し、改善活動の場としております。

関係する全てのメンバーは普段からダッシュボードを見ながら活動をしている為、数字の進捗確認は行いません(ただし、数字が悪い際は、対策について話す事はあります)。数字はリアルタイムで見て然るべき、という考え方になります。

ですので、フィールドセールスやマーケティング部との連携ミーティングの際は、ミーティング前に改善活動に繋がる情報収集を行い、共有及び議論を行います。このような情報はダッシュボードでは見えない為、認識のズレが起きやすく、非常に重要な議論となります。

各メンバーの時間も限られていますので、議題を「議論しなければいけない内容に絞り」「事前に整理しておく」事は、より効率的に部署間連携を進める工夫といえるかもしれません。

次回予告

さて、お話はまだまだ続きますが、第11回はここまでとさせて頂きます。

次回も引き続き、ユーザー様から寄せられた「よくある質問に徹底的に答えます!」について公開予定です。次回はもう少し現場よりのご質問にお答えいただく予定ですのでお楽しみに!

茂野さんに聞きたいことがあれば、お気軽に是非 info@revcomm.co.jp にご連絡下さい!

【過去記事】
第1回インタビュー記事「インサイドセールスが企業の成長に欠かせない理由とは?」
第2回インタビュー記事「ビズリーチがインサイドセールスに注力する理由」
第3回インタビュー記事「インサイドセールスチームの組織や採用」
第4回インタビュー記事「人材育成・モチベーション管理・定量目標」
第5回インタビュー記事「業務を円滑にするために工夫しているポイント」
第6回インタビュー記事「インサイドセールス導入後に注意すべき、組織間のコミュニケーションや体制構築」
第7回インタビュー記事「インサイドセールス導入時にやってはいけないこと、やるべきこと」
第8回インタビュー記事「インサイドセールスに向いている人は?」
第9回インタビュー記事「スランプに陥ったときにはどうすれば良いのか?」
第10回インタビュー記事「理想のインサイドセールスとは?」

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未来の経営と働き方を考える「Future of Work」が、12月6日(木)に虎ノ門ヒルズフォーラムにて、未来のセールスのかたち“インサイドセールス“について考える「Inside Sales Conference」を開催いたします。

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株式会社ビズリーチについて

「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」をミッションとし、2009年4月より、人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するHRテック・ベンチャー。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、シンガポールに拠点を持ち、従業員数は1,304名(2018年10月現在)。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、挑戦する20代の転職サイト「キャリトレ」、AI技術を活用した戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」、求人検索エンジン「スタンバイ」、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」などを展開。
参照URL:https://www.bizreach.co.jp/