「つらい」営業を、「楽しい」営業に変えるためには 〜「つらい」の根本にあるものとは〜

みなさん、こんにちは。

今回は、SALES ROBOTICS株式会社 代表取締役社長 内山 雄輝氏へのインタビューとなります。

企業の利益を生み出すエンジンとも言えるマーケティング&セールスですが、マーケティングはデータドリブンで科学されているものの、セールスにおいては気合と根性に頼る労働集約的な営業スタイルが主流になっています。

どうしたら、営業をもっと科学出来るようになるのか、今回は内山氏に伺います。

営業生産性を向上させる為には、何が重要なのかを伺いましたので、是非ご覧ください。


SALES ROBOTICS株式会社
代表取締役社長 CEO & Founder 内山 雄輝氏 / Yuki Uchiyama

2004年、早稲田大学第一文学部中国語・中国文学専修卒業。同年、株式会社WEICを設立。2005年、中国市場開拓人材の語学教育向けe-ラーニングシステムを開発。2014年、SFA(営業支援システム)とインサイドセールスを融合した新規商談獲得サービスを開始、インサイドセールスクラウドサービス「SALES BASE」を提供。2016年4月よりソフトウエアベンダーの業界団体「MIJS(Made in Japan Software&Service)コンソーシアム」理事長を務める。2018年6月、e-ラーニング事業(HR BASE事業)を譲渡。同年10月より、SALES ROBOTICS株式会社へ商号を変更。


日本の営業力は発展途上、だから伸びる

ーー本日はよろしくお願い致します。

内山 雄輝氏(以下、敬称略)
よろしくお願い致します。

ーーまず初めに、内山さんが起業をされたきっかけを教えていただけますでしょうか。

内山
私は、学生時代より世界で活躍するビジネスパーソンになりたいと考えていました。そのため、学生時代は今後爆発的に成長するポテンシャルを秘めている中国について専門的に勉強していました。その中で、中国と接する機会が増え「日本の営業力が中国や途上国で通用しない現実」を目の当たりにしました。

その結果「できるだけ多くの方たちに、手軽に語学を学んでもらいたい。そして、営業力を身に付け、世界で活躍できる人財と企業を創る。そのためには、今は世にないサービスを生み出さなければ!」そう思ったのが起業のきっかけです。

ーー内山さんは当初、語学教育サービスを展開されておられましたが、なぜ営業支援サービスへ転換されたのでしょうか。

内山
おかげ様で、日本国内の大企業を中心に当社の『超速中国語』が導入されるようになり、業績は順調そのものでした。ただ、ふと立ち止まった時に「政治・経済の流れに左右されるビジネスはしんどい」と感じてしまい、改めて自分は何がやりたいのかを、自分自身に問い直してみました。

その時、私の心の中には、中国の知人から言われた「日本は良いものを作るが、売るのが下手だよね」という言葉がずっと残っていました。同時に、自ら起業をして「モノを売る」事の重要性を肌身を持って感じていました。そうした様々な実体験を通じて「日本の営業をより良くしていく為にはどうしたらよいのか?何が課題なのか?」について深く考えるようになりました。
その際、今の“法人営業を自動的にすること“のヒントを得ました。

日本で従来行われてきた、営業パーソンが担当企業を訪問して、肌感覚で御用聞きをするような方法は効率が悪く、国際競争の中では勝ち残ることができないと感じました。そこで、語学研修サービスで溜めてきたノウハウを元に、法人営業をロジック化することが出来れば、語学研修サービスの提供以上に多くの企業に対して世界でも活躍できる機会を創出できるのではないか、と思いました。

当初は、これまで培ってきた教育事業のノウハウを元に、営業の売り方を変える教育事業を展開しようと思ったのですが、それよりもダイレクトに営業支援をした方が、より効果的かつ効率的だと思い、事業ドメインを語学教育から営業支援へと転換することにしました。

ーー自らの営業経験から課題を感じ、営業支援サービスを開始されたということで、より現場に即した視点で課題の解決をお考えだということが良く分かりました。語学教育事業から営業支援事業への事業転換は大きなピボットですね。

営業の「つらい」を見つけ出す

ーーいまだ営業は「アポイント至上主義」「根性論が幅をきかせている」というイメージが強く、世の「スマート化」から取り残されているケースが多いと見受けられます。他の業務に比べ、なぜ営業現場はこの様な状況になってしまったと思いますか?

内山 
営業の課題を「数字」という論理的な方法で解決できていなかったからだと考えています。

そもそも、営業の現場は「何が課題なのかが曖昧で論理的な解決法が見出せず、個人の根性で乗り切る」という文化が根づきやすいです。従って、「辛い」という思いを抱きやすい環境になりがちです。

図:営業活動全体を「数字」という理論的方法で分解する

この「つらい」と感じる部分が、営業の課題の根源になります。

私は営業活動を「①ターゲット→②リード→③アポイント→④商談→⑤受注クロージング)」という5つのステップに分け、どこが「つらい」部分なのかを考えました。

受注は、言うまでもなく「つらくない」。商談でお客様と会話をする事は、新しい知見・繋がりが得られる、また、商談は成立すれば売上になるわけですから、やりがいもありますので「つらくない」。つまり「つらい」のは、商談より前の部分になる訳です。

アポイントが取れる可能性の低い、根性論に基づく手法、例えば「訪問すべき相手がわからないので、とりあえず目につく企業に飛び込んでみる」「先輩が手に入れた大量の名刺を片っ端から電話をかける」といった文化が根付いている環境での営業活動は「大変」「つらい」と感じる人も多い事は、想像に容易かと思います。

ーーつまり、商談前の営業活動を改善する事で、営業の働き方を「スマート化」できるという事になりますか。

内山 
その通りですね。

営業活動を細分化し、最適化する重要性

ーー商談前の営業活動を成功させる鍵となるものは、何だとお考えでしょうか。

内山 
成功の鍵は2点、「大量の営業先(リード)」と「営業先に、どれだけ興味を持ってもらえるか」になります。

まず「大量の営業先(リード)」について。こちらは「営業をかけるべき企業が大量にある」状態を言います。理想的な状態は「商談が成立しやすそうな訪問先が大量にある」状態になります。これは、大量の名刺情報でも実現できるかもしれません。

ところが営業は、リードの量を確保できるようになると、次は「アポイントの成功率を高めたい」と考え始めます。その実現に必要となるのが「営業先(リード)リストの質」です。

「営業先(リード)リストの質」とは「情報の量」だと定義しております。例えば、大量の顧客情報があっても、そのリストに名前しかなかったら名刺の束と同じですが、担当者の年齢や開発中の製品・既存顧客・決裁権者といった情報があれば、名前だけのリストよりも「営業先(リード)リストの質」が高くなります。

この情報を活かして、具体的な対話ができれば、興味を持ってもらいやすくなります。
即ち、営業生産性を上げる為には、「大量の営業先(リード)」と、「営業先(リード)に関する情報量」を最大化させる必要があるのということです。

ーー商談前の営業活動の質を上げる必要性は理解できました。他方で、リードの量と質、両方を担保しようとすると、営業担当者の負担が大きくなってしまうように思えるのですが、いかがでしょうか。

内山 
これらを全て、営業担当者が行う必要は無いと考えています。

商談前の営業活動で集めた質の高い情報を活かし、製品の魅力を売り込めるかどうかが、営業担当者の手腕の見せどころになります。営業担当者の評価は「クロージング能力の高さ」であるべきでは無いでしょうか。ですので、営業担当者から、クロージング以外の業務を引き剥がす事で、営業の「つらい」の解消に繋がります。

そのために必要な事が「営業の分業化」です。

営業は本来、セールスマーケティング・インサイドセールス・クロージングセールス(フィールドセールス))に分けて然るべきなんです。先ほど申し上げた、営業の5つのステップ全てを1人で担えるほど簡単な仕事では無いという事です。

営業担当者はクロージングに集中し、セールスマーケティングやインサイドセールスといったリード獲得の専門家と連携し、営業活動を行う事が、効率的な営業活動を実現し、営業活動の成功に繋がるものだと考えています。

私はインサイドセールス部隊はCIA、クロージングセールス部隊はグリーンベレーと言っていますが、インサイドセールスが諜報活動をして、クロージングセールスがその情報を元に案件受注していく、こういう分業が欠かせません。

ーー様々な担当者が必要となると、人材確保が困難な中小企業には、営業活動の「スマート化」は難しいという事になりますでしょうか。

内山 
いえ、そうは思いません。本質的な課題は、人材が足りないことではなく、各プロセスが因数分解・数値化されていないことなのです。裏を返せば、人材を確保したからと言って、各プロセスが因数分解・数値化されていなければ、ただ人員が増えただけで営業生産性は上がりません。

従って、先ずは営業プロセスを因数分解・数値化すること。その上で、どこに課題があるのかを整理し、それに対する解決策を講じること。そして人員が足りないのであれば、人員を確保することが重要になります。

何が課題かを分かった上で仕事すれば、仕事自体が楽しくなっていくし、楽しみながら仕事をしている人が増えれば自然と優秀な人が集まってきます。営業が成果を上げて売上を伸ばし、充実感を味わいながら仕事をする為には、企業規模に関わらず、分業化が不可欠であると確信しておりますので、先ずは営業プロセスの因数分解・数値化・分業化を進めることを強くお勧めします。

その結果として、営業から根性論が消え、営業の「つらい」が無くなり、営業の生産性があがり、企業にとって大きな恩恵が生まれます。

営業は企業のエンジンです。そのエンジンの力を最大化する為、営業活動そのものを見直し、実践する企業が増えてこれば、日本の営業活動が底上げされ、「作るものも良く、売り方も上手」な日本の営業が確立される。そして、その世界はもうすぐそこまで来ていると感じております。


以上、SALES ROBOTICS株式会社 代表取締役社長 内山 雄輝氏のインタビューをお伝え致しました。

いま正に「営業」の在り方が大きく変わろうとしており、その動きを加速させる新しいテクノロジーや組織論が多く生まれています。今回は、これまで長きに亘り「日本の営業」と向き合ってきた内山氏のインタビューをお伝え致しましたが、読者のみなさまの営業活動を変革させるきっかけになれば幸いです。


SALES ROBOTICS株式会社について

営業のワークスタイルをクリエイトするセールス・テック・ベンチャーとして、「Be Smarter!テクノロジーで営業をもっとスマートに、もっとオモシロク!最新の顧客データベースをすべての企業へ!」をスローガンに、テクノロジーとストラテジーを組み合わせて法人営業の新規開拓業務をスマートにするクラウドサービス「SALES BASE」を開発・提供しております。営業現場の生産性の向上や働き方改革をトータルで支援するビジネスサポートカンパニーです。

参照URL:https://salesrobotics.co.jp/